2008年02月21日
タイニーアバターの歴史(1)
●はじめに
喜ばしいことにSLの日本人コミュニティーで、タイニーアバターの普及が進んできています。今では、日系SIMでタイニーの姿を見かけることは珍しくなくなりました。
ところがタイニーアバターの歴史については、あまり知られていないような気がします。そこで、今回から「タイニーアバターの歴史」と題してタイニーのルーツなどを追っていきたいと思います。少々、長ったらしい文章になるうえ、私自身の記憶やら何やらに頼らざるを得ないため信憑性はビミョウなところかと思いますが、興味のある方は最後までお付き合いください。ツッコミ歓迎、事実誤認については随時訂正してきます。
●タイニーアバターの誕生
「Tiny製作キット」の存在からか、タイニーアバターが日本発のものであると思っている方がそれなりの数おられるようですが、実際には海外発祥の技術になります。
世界で最初のタイニーアバターは、2005年にKage Seraph氏によって発売された「Chibi Mecha」であると言われています(※1)。AO(アニメーションオーバーライダー)技術により、体を限界以上に折りたたんだだけの「小さなアバター」はそれ以前にも存在していたようですが、「歩く」「走る」「座る」といった動作を完全に再現したものは、「Chibi Mecha」が始めてだったようです。
【写真】すべてのタイニーのご先祖様「Chibi Mecha」。「Second Life Wikia」より転載。
タイニー界におけるKage氏の功績は、ただ単に「世界初のタイニーアバターを作った」というだけではありません。真に称えられるべきは、そのAO一式をほかのクリエーターに対して供給したことにあります。
この太っ腹な行為により、海外では続々とタイニーたちが生み出されました。有名どころとしては、Wynx Whiplash氏のアニマルタイニーシリーズがこれにあたります。2005年中頃からリリースを開始した同シリーズは、その愛くるしいデザインで爆発的なヒット商品となりました。このシリーズが「Tinies」として広く知られたことが、「Tiny Avatar」という語の定着に一役買ったようです。以上のような経緯を経てタイニーアバターは海外で市民権を獲得し、広まっていきました。
【写真】この記事を書くための調査中に発見したKage氏製作の”元祖”Tiny製作キット。パーミッション制限があるものが50L$、フルパーミッションのものが2000L$で販売されていた。
【写真】Kage氏はこのほかにも各種ジャイアントアバターなどを製作。ジャイアントアバターDIYキットなども販売している。
【写真】初期に製作がスタートしたシリーズで、今も動物系タイニーの定番となっているWynx氏の「Tinies」。私がSLを開始してから最初に購入したタイニーもこのシリーズだったりする。日本人にもファン多し。ちなみにWynx氏は、FurryアバターやNeko(ネコ耳)アバターの製作者としても著名な人物である。
(※1)「Second Life Wikia」の記述などを参考としています。
●海外におけるタイニー事情
初代タイニーアバターこそロボットをモチーフとしたものではありましたが、タイニーを広く知らしめたWynx氏の「Tinies」の影響もあって、その後は動物系タイニーがシェアを伸ばしていきました。
正確な統計を取ったわけではありませんが、通販サイト「SL Exchange」で「Tiny Avatar」をキーワードとして検索した際に表示されるアバターのうち、かなりの割合が動物系であることを見れば、海外ではいかに動物系タイニーの人気が根強いかが解るでしょう(日本人クリエーターの作品の多さにも驚かされますが、これはまた後ほど触れます)。
動物系タイニーの成功の背景には、元より存在していたFurry(動物系アバター)愛好者たちの存在が大きい様に思えます。彼らに受け入れられたことで、動物系タイニーは瞬く間に広がったという面もあるでしょう。
また、タイニー愛好者の数が増えるにつれ、独自のコミュニティーも形成されていきました。いくつかのタイニー専門グループが設立され、数百名単位のメンバーを集めるようになると、そこに集まったクリエーターたちの手によってダンスアニメーションや家具、アクセサリ、乗り物といった関連商品の開発も進められていったのです。
こうしてタイニー文化は着実にSLに根付いていき、タイニーをテーマとしたショッピングモールや居住区などが作られるまでになりました。また、ファッション系のコンテストやダンスイベントなども催されるようになっていったのです。
【第二回へ続く】
喜ばしいことにSLの日本人コミュニティーで、タイニーアバターの普及が進んできています。今では、日系SIMでタイニーの姿を見かけることは珍しくなくなりました。
ところがタイニーアバターの歴史については、あまり知られていないような気がします。そこで、今回から「タイニーアバターの歴史」と題してタイニーのルーツなどを追っていきたいと思います。少々、長ったらしい文章になるうえ、私自身の記憶やら何やらに頼らざるを得ないため信憑性はビミョウなところかと思いますが、興味のある方は最後までお付き合いください。ツッコミ歓迎、事実誤認については随時訂正してきます。
●タイニーアバターの誕生
「Tiny製作キット」の存在からか、タイニーアバターが日本発のものであると思っている方がそれなりの数おられるようですが、実際には海外発祥の技術になります。
世界で最初のタイニーアバターは、2005年にKage Seraph氏によって発売された「Chibi Mecha」であると言われています(※1)。AO(アニメーションオーバーライダー)技術により、体を限界以上に折りたたんだだけの「小さなアバター」はそれ以前にも存在していたようですが、「歩く」「走る」「座る」といった動作を完全に再現したものは、「Chibi Mecha」が始めてだったようです。
【写真】すべてのタイニーのご先祖様「Chibi Mecha」。「Second Life Wikia」より転載。
タイニー界におけるKage氏の功績は、ただ単に「世界初のタイニーアバターを作った」というだけではありません。真に称えられるべきは、そのAO一式をほかのクリエーターに対して供給したことにあります。
この太っ腹な行為により、海外では続々とタイニーたちが生み出されました。有名どころとしては、Wynx Whiplash氏のアニマルタイニーシリーズがこれにあたります。2005年中頃からリリースを開始した同シリーズは、その愛くるしいデザインで爆発的なヒット商品となりました。このシリーズが「Tinies」として広く知られたことが、「Tiny Avatar」という語の定着に一役買ったようです。以上のような経緯を経てタイニーアバターは海外で市民権を獲得し、広まっていきました。
【写真】この記事を書くための調査中に発見したKage氏製作の”元祖”Tiny製作キット。パーミッション制限があるものが50L$、フルパーミッションのものが2000L$で販売されていた。
【写真】Kage氏はこのほかにも各種ジャイアントアバターなどを製作。ジャイアントアバターDIYキットなども販売している。
【写真】初期に製作がスタートしたシリーズで、今も動物系タイニーの定番となっているWynx氏の「Tinies」。私がSLを開始してから最初に購入したタイニーもこのシリーズだったりする。日本人にもファン多し。ちなみにWynx氏は、FurryアバターやNeko(ネコ耳)アバターの製作者としても著名な人物である。
(※1)「Second Life Wikia」の記述などを参考としています。
●海外におけるタイニー事情
初代タイニーアバターこそロボットをモチーフとしたものではありましたが、タイニーを広く知らしめたWynx氏の「Tinies」の影響もあって、その後は動物系タイニーがシェアを伸ばしていきました。
正確な統計を取ったわけではありませんが、通販サイト「SL Exchange」で「Tiny Avatar」をキーワードとして検索した際に表示されるアバターのうち、かなりの割合が動物系であることを見れば、海外ではいかに動物系タイニーの人気が根強いかが解るでしょう(日本人クリエーターの作品の多さにも驚かされますが、これはまた後ほど触れます)。
動物系タイニーの成功の背景には、元より存在していたFurry(動物系アバター)愛好者たちの存在が大きい様に思えます。彼らに受け入れられたことで、動物系タイニーは瞬く間に広がったという面もあるでしょう。
また、タイニー愛好者の数が増えるにつれ、独自のコミュニティーも形成されていきました。いくつかのタイニー専門グループが設立され、数百名単位のメンバーを集めるようになると、そこに集まったクリエーターたちの手によってダンスアニメーションや家具、アクセサリ、乗り物といった関連商品の開発も進められていったのです。
こうしてタイニー文化は着実にSLに根付いていき、タイニーをテーマとしたショッピングモールや居住区などが作られるまでになりました。また、ファッション系のコンテストやダンスイベントなども催されるようになっていったのです。
【第二回へ続く】
Posted by Nobunaga Ogee at 00:45│Comments(2)
│タイニーアバターの歴史
この記事へのコメント
まだまだ情報は少ないですが、 ja.secondlife.wikia.com もありますので、どうぞー。
Posted by ゆきち at 2008年02月26日 14:11
これは、もしやWikiaのYukichiさん!?
ASCII.jpの記事を拝見させていただきました、とか何とか書いてみます。
ASCII.jpの記事を拝見させていただきました、とか何とか書いてみます。
Posted by Nobunaga Ogee at 2008年02月27日 01:12